茶谷さんのチラシ解説ー3・3万円をすべての高齢者に
今年の2月と昨年の12月の年金支給額を比べて、
2月の方が2~3万円前後低い方は問題ありです。
佐屋支部のAさんの例を下図に示しました。右側の平成30年2月の支給額が278,232円です。前年の支給額は、左側で証明できる通知書がたまたま平成28年6月から平成29年4月までの支給額が296,952円ですが平成29年12月と同じになります。296,952-
278,232=18,720(円) 扶養親族等申告書を出さずに放置すると、年間6回×18,720円=112,320円の損失になることを示しています。「所得税額および復興特別所得税額」の欄を見ると、右側の平成30年2月では、23,072円差し引かれています。左側は、1,449円で少額です。 理由は、昨年に「扶養親族等申告書」の届出がされていないため、税金が多く差し引かれているのです。
「扶養親族」という名称がついていますが、扶養親族があるかどうかには関係ありません。年金の年末調整の役割をもつものです。
この「扶養親族等申告書」を届出しないと、所得税率10%というとても高い税率の税額が源泉徴収(天引きされる)されます。この申告書を届け出ると各種控除を差し引いて再計算され、課税が低くなって手取り額が多くなります。
県下の他の支部でも、身近に低い年金の手取りで相談を受けたお話しがあります。確認しましょう。
そして、毎年必ず「扶養親族等申告書」を届出しましょう。年金機構に提出する様式を②に示しました。また、マイナンバーについては、拒否できますので、記入欄に「記入をいたしません」と意思表示しましょう。
国税庁では、「マイナンバーの未記入でも受け取ります」と応えています。
学習部 水野三正
佐屋支部 塩月さんからの報告
支部では年金支給の2月15日以降、過少支給に該当する組合員がいないか、現状を把握するために機関紙でよびかけました。支部主催の集会や会議、サークルにもよびかけました。 何名かの問い合わせがありました。自宅を訪問して事情を聞きとり、その場で年金機構に問合せして「扶養親族等申告書」を送付してもらい、一緒に申告書を書いて送付する作業を役員で手分けして実施しています。
80歳代の高齢者にとって書類の記入や機構への問い合わせと電話での対応は、知識的にも大変です。本人確認さえできれば、第三者(年金者組合の役員)で年金機構との対応は、無料のフリーダイヤルで対応できます。
各支部でも多くの対象者がみえると思いますので、一人でも多くの人に取られた税を取り戻して欲しいと願っています。
対応する時に必要な書類等
1. 年金振込通知書か年金手帳
2. 年金振込の口座番号(預金通帳)
を手元に置いて電話してください。
図①のように、4月15日に払い戻しの成果がありました。
図②は年金機構の平成30年分扶養親族等申告書の様式です。
※注意 申告を委任する場合は、委任する人(年金受給当事者)の自書による
署名が必ず必要です。
年金パンフの解説ー茶谷さん作成の要約です。
年金引下げ違憲訴訟パンフの要約(Ⅲ~Ⅷを除く)
2018年4月 作成者 茶谷寛信
はじめに
5133人の原告、44県39地方裁判所、300人を超える弁護士(訴訟代理人)、5学者の意見書など社会保障(年金)裁判は3年を経過して、テレビ、新聞、週刊誌などでも取り上げられて国民世論に一定のインパクトを与えている。しかし、国民的な広がりにはなっていない。この冊子の学習を通じて年金裁判の到達点を理解していただきたい。
Ⅰ 裁判の論争点と当面する裁判運動の課題
1 1人ひとりの訴えが世論を動かしつつある~裁判運動はどこまできたか
2015年から3年がたって、一人一人の陳述(冊子・叫び)は、政府の担うべき生活実態が憲法を踏みにじっているかを告発する役割を果たしている。社会に浸透しつつあることに確信にしたい。憲法裁判であり、25条、13条、29条が問われている。9条改憲と表裏一体であり、憲法を生活に生かす大きな位置付けと持ちつつあることも大切です。
2 裁判の論争点~裁判で何が問題となっているか
国は「財政難」「制度の維持」「世代間の公平」のワンフレーズだった。裁判の中で年金減額を筋道たてて説明しなければならないところに追い込んでいる。論争点は以下の通り。
(1) 国は自由に年金支給額を引下げることができるのか?~立法と裁判所の関係
国は、(昭和57最高裁判決を盾に)立法府には広い裁量権(国会が決める権利)があり、著しく合理性を欠いている場合を除き裁判所が審査判断をすることではないと主張している。原告(私達)は、憲法25条2項の「向上及び増進」(後退禁止)を率直に読めば実質的な引き下げは許されない。あくまでというなら厳格な立証(ワンフレーズでなく、負担は公平か・生きていけるかなど生の実態を証明)が必要としていると反論している。
(2) 国は説明責任を果たさなくてよいのか?~社会権規約が定める後退禁止原則
社会権規約9条は「すべての者の権利を認める」と定め、2条1項は、「権利の完全な実現を進めること、利用可能な手段を利用すること」を求めている。後退的な処置を禁じ、必要なら合理性を立証せよとしている。
(3) 公的年金は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障しなくてよいのか?~憲法25条と最低保障年金制度
国は、年金だけでなく生活保護がある。原告は、生活保護は「自立の助長が目的」「資産調査と恥の意識の障害(生活保護とるのは恥)がある」と主張し、「生活保護も下げている」年金だけで「最低で文化的な生活が出来ること(25条)」です。
(4) 減額は年金受給者権の侵害ではないのか?~憲法13条、29条の問題
年金裁判運動 第3回口頭弁論を行いました。
年金裁判の第三回口頭弁論を8月31日に名古屋地方裁判所で
行なました。
開会前の宣伝活動と地裁前での集会には約200名の参加者で裁判への年金者の思いを伝えました。裁判で被告は(国側)、私たち提出した求釈明の回答に「公的年金は、老後の生活の生活の所得保障の柱である」と述べながら、しかし、公的年金は、老後の生活の全部を支えるものでもない。
働ける間の稼働収入はもちろんのこと、老後に備えた個人の貯蓄や私的年金、資産収入、それか親族扶養もまた老後の生活を支える重要な手段であると」開き直っています。
私達年金者組合は
「人間らしい生活を保障する公的年金制度の確立を求めて運動を進めています。
口頭弁論が終了後、桜華会館で報告集会を行いました。
一宮支部の田仲幸子さん、さくらんぼの会の阿部正博さんが生活の窮状を裁判長に訴えました。年金の切り下げは生活破壊につながると「切り下げの取消」を主張しました。
10月20日14:00から第四回口頭弁論が行われます。裁判勝利のために組合員とその周りの大きな国民の声が必要です。地域でも旺盛な宣伝・署名活動を行いましょう。