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年金引き下げ違憲訴訟
名古屋地裁判決に対する抗議声明
1 本日、名古屋地方裁判所民事第9部は、愛知県及び三重県に居住する年金受給
者合計376名が、平成24年改正法に基づき平成25年度に実施された年金減 額処分
の取消しを求めた裁判で、請求を棄却する判決を言い渡した。
2 本裁判において、私たちは、本件年金減額処分は、年金受給者の生存を脅かすもので
あり、憲法25条が定める生存権、憲法29条が定める財産権、憲法13条が定める個人の
尊厳と幸福追求権を侵害するものであると主張してきた。
また、年金受給者の生活実態を踏まえず、国会でまともな審議も経ずに成立した平成
24年改正法の立法過程には重大な過誤があること等々も主張してきた。
更に、原告を含む多数の年金生活者の生活実態をアンケート調査した結果や、
原告本人の陳述書を提出し、原告代表者9名の法廷での尋問を行って、年金生活者の
苦しい生活実態や、本件年金減額処分が引き起こした切実な被害を明らかにするとともに、
社会福祉学の専門家の証人尋問を行って、平成24年改正法の誤りを明らかにした。
3 しかし、本判決は、これまでと同様に、立法府の広範な裁量を認めた上で、年金受給者
の生活実態をほとんど考慮することなく、立法目的、立法手段ともに不合理とはいえない
と判示し、また、制度後退禁止原則や判断過程統制論を本件にも適用すべきとの原告ら
の主張を簡単に退けた。
本判決は、被告である国の主張に沿った判決であり、人権保障の最後の砦としての
裁判所の役割を放棄したものであると指摘せざるを得ない。
4 私たちは、今回の不当判決を受け入れることは到底できず、名古屋高等裁判所
に控訴して闘う決意である。
私たち愛知・三重訴訟原告団・弁護団は、全国の仲間とともに、年金受給者の
生存権を確保するため、今後とも全力を尽くす決意を表明する。
2021年3月25日
年金引き下げ違憲訴訟愛知・三重原告団同弁護団
裁判前の集会で伊藤原告団長の挨拶
報告集会での丹羽委員長の抗議声明と今後の決意
岐阜県と三重県の県本部委員長の挨拶
裁判前集会に約200名参加、その様子です。
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